2011年11月23日

XT-330とキャパシタンスチューニングの紹介

部分放電試験器(コロナ放電試験器)のメーカーのアドフォクスです。
皆様お元気でしょうか。

もう11月も残り1週間、来週からは師走ですね。
街ゆく人達の動きも、せわしなくなって来ました。

紅葉と信号
(写真) 年末も近づいた今日この頃

年末は午後3時台から夕焼けが始まります。
1年を通して一番見通しが悪くなるこの時期、車も歩行者も急いでいる方が多いだけに、皆様におかれましては、よくよくお気をつけ下さいませ。


さて、もし1500pFのコンデンサーに10kV・10kHzの高電圧・高周波を印加して、コロナ放電や火花放電の試験をしたい場合、皆さんは何を使われるでしょうか。
コンデンサーは直流では電流を通しませんが、交流は通り、印加電圧を上げると比例して電流が増加してしまいます。
まともに先の条件で電圧を加え1Aが流れると、通常であれば10kWという大電力を必要とします。

なかなかに厳しい条件ですが、当社のXT-330というコロナ試験器はこの条件で試験が出来ます。
今回はこのXT-330について、説明させて頂きます。


XT-330で特徴的なのがプローブボックスです。

コロナ放電試験器XT-330 PB38c
(写真1) XT-330本体(上)とプローブボックス(下)

ここでプローブボックスに黒いダイヤルが見えます。

XT-330 PB39aのチューニングダイアル
(写真2) チューニングダイヤル

これはチューニングダイヤルと言って、ダイヤルを回すとプローブボックス内にある高圧発生用トランスのインダクタンス(L)が変化します。

XT-330では高圧発生用に可変トランスを使用しています。
この目的は、被測定物に合わせてプローブボックス内のL成分を調節することで、LC共振を合わせる事です。

XT-300シリーズは本体内で交流の印加波形を作成し、プローブボックスで増幅します。
交流を印加すると、プローブボックスと被測定物で構成される回路の中でLC共振の関係が成り立ちます。

XT-330キャパシタンスチューニング
(図1) キャパシタンスチューニング

ここでXT-330は共振を利用して高電圧を実現しています。

XT-330はこのLC共振を利用するためにチューニングダイヤルを操作してキャパシタンスチューニングを取る必要があるので、他のXTシリーズよりも操作が難しくなりますが、大きな電圧を加えて試験することが出来ます。

XT-330についての解説は以上です。


当社アドフォクスでは連続サイン波を印加するXT-300シリーズ、間欠印加方式のXT-200シリーズ、そしてそれぞれ幅広いラインナップを揃えています。
目的に応じて機種をご提案出来ますし、また場合によっては特注品の製作も可能です。

部分放電やコロナ放電によってお困りの場合には、どうぞ気軽にアドフォクスまでお問合せ下さい。
(お問合せ先 → お問合せフォームはこちら)



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2011年11月11日

コロナ発生器と火花発生器

コロナ放電試験器のメーカー、アドフォクスです。
皆様こんにちは。
立て込んでおりまして、前フリ無し、いきなり本題という乱暴な書き方で失礼致します。
本日はアドフォクスで使用しております火花発生器とコロナ発生器の紹介です。

コロナ放電(部分放電)という現象についてはJISなどの規格が決まっておらず、現在は規格を作るために電気学会にて研究を進めているという状況です。

そのような状況の中、当社でコロナ放電試験器を作るにあたり、コロナ放電(部分放電)と火花放電(全路放電)が起きた時に検出し、そしてコロナ放電や火花放電が起きていない時には検出しない事を定常的に確認できるように、コロナ発生器と火花発生器を用意しました。

コロナ発生器と火花発生器
(写真) 火花発生器FO1001(左)とコロナ発生器CR1001(右)

上の写真で向かって左側が火花発生器FO1001、右側がコロナ発生器CR1001です。

まず火花発生器ですが、こちらは二つの球とシャシーのそれぞれに端子が付いています。

火花発生器
(写真) 火花発生器FO1001

通常は球の片方とシャシーをグランドに接続し、残りの球を高圧端子に接続します。


火花発生器にはマイクロメーター
(写真) 球の間隔はマイクロメーターで調節出来る

そしてマイクロメーターによって球と球の間隔を微調節出来ます。

火花発生器の球
(写真) 球の間隔は調節出来る

火花発生器の構成は以上の通りです。


一方、コロナ発生器は絶縁版を挟む方式です。

コロナ発生器
(写真) コロナ発生器CR1001

端子はシャシーに1箇所、球に1箇所、合計2箇所です。

0.100mm厚のガラス板を間に挟み、絶縁版にして部分放電を発生させます。

ガラス板で絶縁版にする
(写真) 0.100mm厚のガラス板で絶縁

ガラス板は割れ易く扱い難いのですが、コロナ放電によって変質し難い特徴を持っています。
コロナ放電を起す度に変質してしまうと放電条件が変わってしまいますので、ガラス板を使用しています。
(使用しないときには球とガラスの間にスポンジ等の緩衝材を挟みます。)

以上のようにして、コロナ発生器と火花発生器の再現性を高め、常に一定の条件で放電が発生するように工夫しています。
そして当社のコロナ放電試験器XTシリーズの検出精度を一定に保っているのが、このコロナ放電器と火花放電器です。

なお、火花発生器FO1001とコロナ発生器CR1001についても、ご要望がある場合にはご注文を受けております。


コロナ発生器と火花発生器の説明は以上です。
かなり駆け足の説明になってしまいました。何かご不明な点がございましたら、当社お問合せフォームにご質問下さい。
(お問合せ先 → お問合せフォームはこちら)





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2011年11月02日

コロナ放電試験で気をつける点

コロナ放電試験器の研究から製造まで行なっておりますアドフォクスです。
すっかり秋めいて空が澄み渡ってきました。
皆様お元気でしょうか。

河辺の青空
(写真) 天高く馬肥ゆる秋の空…


さて今回のコロナ放電・部分放電対策室では、試験を行なう際に気を付ける点について説明いたします。

写真1は、とある日のアドフォクスの机の上の様子です。
前日の測定が終わったそのままの状態で散らかっていますが、ここで注目して頂きたいのが2箇所あります。

部分放電試験(コロナ放電試験)の際には… 全体図
(写真1) 部分放電試験(コロナ放電試験)の際には…

まず一つ目は机の上にアルミ板(1mm厚)が敷いてあること、もう一つがアルミ板の上に発泡スチロールを引いてあることです。

アルミ板の端を拡大して見てみると…

部分放電試験(コロナ放電試験)の際には… グランドを取っている
(写真2) グランドを取っている

このようにワニ口でグランドを取っています。
この試験を行なっている机は金属製なので、机自体をグランドに引くのも手で、アドフォクスにある一部の作業台はグランドに繋がっています。

何故グランドを引いているかと言うと、普段私たちが生活している空間には50/60Hzのノイズが散乱しています。
また金属の机などがあるとそこに僅かな電流が発生し、これらがコロナ放電試験に影響するからです。

コロナ放電試験は微弱なコロナ信号を検出して判別します。
この測定精度を上げ、定常的に試験結果を得るには、測定物の下をグランドレベルに一定にする事が効いてきます。


もう一つの発泡スチロールですが、これは以前に書きました「絶縁材を入れるとコロナ放電が起きる」に関係しますので、読んでいない方は先にこちらをお読み下さい。

発泡スチロールは体積のほとんどが空気です。

発泡スチロール
(写真3) 発泡スチロール

発泡スチロールを挟む目的は、プローブボックスから被測定物までの間で、周囲の物と火花放電を起させないことと、コロナ放電を起させないことです。

火花放電を起させない為には絶縁材を挟むものですが、「絶縁材を入れるとコロナ放電が起きる」に書きましたように、絶縁材を挟むと今度はコロナ放電の恐れが出てきます。
そこで、誘電率が低い空気を大量に含む発泡スチロールを敷いておく事で、被測定物が周囲と火花放電やコロナ放電を起さないようにします。
(発泡スチロールの厚さは、大雑把に2×(試験電圧)÷1000[mm]を目安としています)


また、プローブボックスから出る高圧線の取り回しにも気をつけます。
写真4は高圧線の取り回し方の悪い例です。

悪い高圧線の引き回し方
(写真4) 悪い線の引き回し方

プローブボックスから出た高圧線とグランド線が、非測定物までの間で交差しています。
※ 交差しているからダメなのではなく、接触しているからダメです。

線が交差してはいけない
(写真5) 線が接近してはいけない

XTシリーズのプローブでは20kV DC耐圧の線を使用していますが、この線でも接触させた状態で高周波を流すと、3kV程度でコロナ放電を起してしまい、被測定物を正確に測定できません。
(高圧側20kV DC、グランド側20kV DCなので、合わせて40kV DCの絶縁皮膜があるのですが)

高周波のコロナ放電は直流よりも簡単に起き、また直流とは違った起き方である点に注意して下さい。

高圧線20kv DC
(写真6) 20kv DC耐圧の線を使用しているが…

基本的には高圧線とグランド線は接触したり接近したりしないよう、距離をおきましょう。

高圧線の引き回し方 良い例
(写真6) 線の引き回しは交差したり、接近しないこと

今回の説明は以上です。
不明な点などがございましたら、アドフォクスまでお問合せ下さい。
(お問合せフォームはこちら)



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